浄楽寺は、葉山御用邸を抜けた横須賀西海岸にある浄土宗寺院です。1189年に鎌倉時代の初代侍所別当にも任命された、三浦半島を統治していた三浦一族の一員、和田義盛夫妻の発願により大仏師運慶によって造像された仏像が安置してあります。
本堂は江戸期の貴重な様式で、当時の荘厳が維持されお守りされています。
また、郵便の父、前島密翁の菩提寺で、世界のひとつだけの郵便ポストも設置され、郵政とはゆかりの深いお寺です。

1189年に造像の運慶仏は、昭和34年の調査により判明しましたが、それまでは東国には運慶仏の存在は確認されておりませんでした。浄楽寺の仏像が運慶仏と分かったことで、東国の仏像研究が進みました。運慶は自らの技術を磨くため東国に訪れ数々の造像を行いました。東国武士に魅せられその作風も変わっていったとされます。

浄楽寺では運慶壮年期の貴重な仏像、さらには全国19体の中の真作の中で5体を今でも拝することができます。
加えて、当時の姿を心の眼で拝する暗闇参りは、自らの心を写しそれぞれの仏さまのすがたを見ることができます。
ぜひお参りください。